ガラスの種類
ガラスの種類は非常に多く、それを化学成分、使い道、製造方法などで分類していますが、その種類は数え方によっては数千種類にもなります。
しかし、普通よく使われているガラスは、4つの大きなグループに分けることができます。ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ほうけい酸ガラス、石英ガラスです。この4種で、すべてのガラスの95%くらいを占めます。
一部の例外をのぞいて、ほとんどのガラスは二酸化けい素(Sio2)を主成分とする「けい酸塩ガラス(けいさんえんガラス)」です。
・ソーダガラス
原料に石灰を多く使います。一般の窓ガラス・瓶類などに使われています。
・クリスタルガラス
鉛ガラスとも呼ばれています。20%以上の酸化鉛が含まれたガラスをクリスタルガラスと呼び、それ以下は、セミクリスタルガラスと呼ばれています。
・ほうけい酸ガラス
フラスコ、ビーカー等実験用器具に使われています。最近では、衝撃にもある程度強い耐熱ガラスが家庭用日常用品として各所で販売されています。
・石英ガラス
99.999%クオーツ(水晶)で耐熱性に優れ、光ファィバーや半導体などに使用されます。また、スペースシャトルの窓にも使われています。
ガラスのはじまり
ガラスは、はるか紀元前からあったといわれています。
石器時代には天然に出来たガラス『黒曜石』を切りだして、刃物や矢尻に使用したと言われています。
また、別の言い伝えによると、ひとりの船乗りが砂浜で焚き火をしていて、潮風をさえぎるため、たまたまそばにあった岩塩を使いました。
すると偶然、岩 塩が焚き火の熱で溶けて砂と反応し、世界で最初のガラスが誕生したという説もあります。
ガラスは固体か、液体か。
ガラスは固体か、液体か。
この問いに対して、ほとんどの方は「固体」と答えるでしょう。
ガラスは目に見え、触ることもできるからです。
30年ぐらい前には、ガラスは本当は液体であるという説と、固体であるという説に分かれていました。
ガラスを定義することはなかなか難しく、これまでいくつかの定義が発表されていますが、もっとも有名なのが「(構造論的にみて)ガラスは過冷却状態にある液体である」という考え方です。
「ものすごく冷えた液体」というわけです。
石の粉を主原料として溶かしたもの(液体)が、そのまま固まっている状態。
ふつうの固体(結晶)は分子が規則正しく並んでいますが、固体のように見えるガラスの分子は、液体のように勝手気ままな方向に向いているため、ガラスは固まっていても液体と分類されていました。
しかし、最近では考え方が変わってきています。
「ガラス=液体」はいささか無理があるようで、最近では「過冷却状態を経由してガラス状態になったもの」という考え方になってきています。
ガラスを定義するのに「ガラス」という言葉を使っているため、たいへん分かりずらくなっていますが、簡単に言いますと「ガラスは液体のような性質を持った固体のようなものである」ということになります。
すごくあいまいな定義ですが、実は、ガラスについてはまだはっきりと解明されていません。
これらのことからも、ガラスにはまだまだ秘めた可能性があり、ますます注目される素材であるといえます。